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ルビ付きテキスト

第31話 大勢順応・勝海舟(新字旧仮名)


伏字ふせじ漢字かんじ

いちからろく小1しょういちから小6しょうろくなな中学ちゅうがくおぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小2,❷: 長
小3,❸: 始 , 州 , 板
小5,❺: 評
中学,❼: 伴 , 傍 , 到 , 垣 , 遣

学習がくしゅうコンテンツ 

仮名がな漢字『かんじ』(『かんじ』)のよう括弧かっこいた漢字かんじ原書げんしょ仮名がないている漢字かんじです。


作品さくひんめい大勢たいせい順応じゅんのう
著者ちょしゃめいかつ海舟かいしゅう

 憲政党けんせいとうが、伊藤いとうさんにかわつて、内閣ないかく組織そしきした当時とうじしきりに反対はんたいしてさわぎまはつた連中れんちゅうも、れはつてるよ。だが随分ずいぶん見透みとおしのかない議論ぎろんだとおもつて、れなどは、ひとりでわらつてたのさ。御一新ごいっしんさいに、薩摩さつまや、❷❸ちょうしゅうや、土❸どしゅう政権せいけんれたとて、なに彼等かれら腕前うでまえで、とてれるものかと、榎本えのもとや、大鳥おおとりなどは、きになつていかつたり、やかしたりした連中れんちゅうだ。ところがどうだ、しばらくすると、自分じぶんからはじめて薩❷さっちょう❼食ばんしょくになつたではないか。なに大勢たいせいさ。しか今度こんど内閣ないかくも、最早もはやそろ/\そろ❺判ひょうばんわるくなつてたが、あれでは、内輪うちわもめがして❼底とうていながくはつづくまいよ。全体ぜんたい肝腎かんじん大将たいしょうたる大隈おおくま❸❼いたがきとの性質せいしつまるちがつてる。❸❼いたがきはあんなひとよし、大隈おおくまは、あ抜目ぬけめのないひとだもの、とても❸終しじゅうなかよくしてられるものか、早晩そうばんかなら喧嘩けんかするにきまつてるよ。大隈おおくまでも❸❼いたがきでも、民間みんかんころには、ひとつてるのを冷❺れいひょうして、自分じぶんたらうまくやつてのけるなどなどおもつてたであらうが、さあわたされてると、存外ぞんがいさうは問屋とんやおろさないよ。所謂いわゆる岡目八目おかめはちもくで、他人たにん批❺ひひょう出来できるが、さて自分じぶんつてると、なか/\なかそばようにはかないものさ。

コンテンツこんてんつ 


作品さくひんめい大勢たいせい順応じゅんのう
著者ちょしゃめいかつ海舟かいしゅう

 憲政党けんせいとうが、伊藤いとうさんにかわつて、内閣ないかく組織そしきした当時とうじしきりに反対はんたいしてさわぎまはつた連中れんちゅうも、れはつてるよ。だが随分ずいぶん見透みとおしのかない議論ぎろんだとおもつて、れなどは、ひとりでわらつてたのさ。御一新ごいっしんさいに、薩摩さつまや、長州ちょうしゅうや、土州どしゅう政権せいけんれたとて、なに彼等かれら腕前うでまえで、とてれるものかと、榎本えのもとや、大鳥おおとりなどは、きになつていかつたり、やかしたりした連中れんちゅうだ。ところがどうだ、しばらくすると、自分じぶんからはじめて薩長さっちょう伴食ばんしょくになつたではないか。なに大勢たいせいさ。しか今度こんど内閣ないかくも、最早もはやそろ/\そろ評判ひょうばんわるくなつてたが、あれでは、内輪うちわもめがして到底とうていながくはつづくまいよ。全体ぜんたい肝腎かんじん大将たいしょうたる大隈おおくま板垣いたがきとの性質せいしつまるちがつてる。板垣いたがきはあんなひとよし、大隈おおくまは、あ抜目ぬけめのないひとだもの、とても始終しじゅうなかよくしてられるものか、早晩そうばんかなら喧嘩けんかするにきまつてるよ。大隈おおくまでも板垣いたがきでも、民間みんかんころには、ひとつてるのを冷評れいひょうして、自分じぶんたらうまくやつてのけるなどなどおもつてたであらうが、さあわたされてると、存外ぞんがいさうは問屋とんやおろさないよ。所謂いわゆる岡目八目おかめはちもくで、他人たにん批評ひひょう出来できるが、さて自分じぶんつてると、なか/\なかそばようにはかないものさ。

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.46191(新字旧仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/000354/card46191.html https://www.aozora.gr.jp/cards/000354/files/46191_21757.html 底本:「日本の名随筆 別巻95 明治」作品社    1999(平成11)年1月25日第1刷発行 底本の親本:「亡友帖・清譚と逸話 〔復刻原本=海舟全集第十巻〕」原書房    1968(昭和43)年4月20日 入力:ふろっぎぃ 校正:浅原庸子
■ 漢字の説明( Explanation of kanji ) 

チョウ・▲ジョウ・ながい・▲ける・▲おさ
longろんぐ

シ・はじめる・はじまる
beginningびぎにんぐ

シュウ・▲ス・㊥・▲しま・▲くに
stateすてーと

ハン・バン・いた
boardぼーど

ヒョウ・▲ヘイ・▲はかる・▲あげつら
reviewれびゅー

ハン・バン・ともなう・▲とも
accompanyあかんぱにー

ボウ・▲ホウ・㋙かたわら・▲そば・▲はた・▲わき・▲
byばい the sideさいど

トウ・▲いた
arrivalあらいばる

▲エン・かき
fenceふぇんす

ケン・つかう・つかわす・▲
sendせんど
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小2 ❷MojnaviGoogleBing
2小3 ❸MojnaviGoogleBing
3小3 ❸MojnaviGoogleBing
4小3 ❸MojnaviGoogleBing
5小5 ❺MojnaviGoogleBing
6中学 ❼MojnaviGoogleBing
7中学 ❼MojnaviGoogleBing
8中学 ❼MojnaviGoogleBing
9中学 ❼MojnaviGoogleBing
10中学 ❼MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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