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ルビ付きテキスト

第43話 木蓮・寺田寅彦(新字旧仮名)


■ 伏字ふせじ漢字かんじ

※ ❶いち~から❻ろくは小1しょういち~から小6しょうろく、❼ななは中学ちゅうがくで覚おぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小3,❸: 開
小4,❹: 種 , 類
小5,❺: 桜
中学,❼: 吉 , 掌 , 杯 , 濃 , 緒 , 鮮

■ 学習がくしゅうコンテンツ  

※ 読よみ仮名がなで漢字『かんじ』(『かんじ』)の様ように括弧かっこの付ついた漢字かんじは原書げんしょで読よみ仮名がなが付ついている漢字かんじです。


作品さくひん名めい:木蓮もくれん
著者ちょしゃ名めい:寺田てらだ寅彦とらひこ

 白木蓮はくもくれんは花はなが咲さいてしまつてから葉はが出でる。その若葉わかばの出ではじめには実じつに❼あざやかに明あかるい浅緑あさみどり色いろをしてゐいて、それが合❼がっしょうしたやうな形かたちで中天ちゅうてんに向むかつて延のびて行いく。丁度ちょうど緑みどりの焔ほのおをあげて燃もゆる小こ蝋燭ろうそくを点ともしつらねたやうにも見みえる。
 紫木蓮しもくれんは若葉わかばの賑にぎやかなイルミネーションの中なかから派手はでな花はなを咲さかせる。❼こい暗くらい稍『やや』冷つめたい紫むらさきの莟『つぼみ』が破やぶれ❸ひらいて、中なかからほんのり暖あたたかい薄紫うすむらさきの陽炎『かげろう』が燃もえ出でる。さうして花はなの散ちり終おわるまでにはもう大おおきな葉はが一❼いっぱいに密集みっしゅうしてしまふう。
 ❺さくらでも染井そめい❼野よしののやうに花はなが咲さいてしまつてから葉はの出でるやうな❹❹しゅるいが❸花かいかの魁『さきがけ』をして、牡丹ぼたん❺ざくらのやうな葉はと一❼いっしょに花はなをもつやうなのが、少すこしおくれて咲さくところを見みると、これには何なにか共通きょうつうな植物しょくぶつ生理的せいりてきな理由りゆうがあるらしい。
 人間にんげんでもなんだか、これに似にた二ふた❹❹しゅるいがあるやうな気きがするが、何なにが「花はな」で何なにが「葉は」だかが自分じぶんにはまだはつきり分わからない。

■ コンテンツこんてんつ  


作品さくひん名めい:木蓮もくれん
著者ちょしゃ名めい:寺田てらだ寅彦とらひこ

 白木蓮はくもくれんは花はなが咲さいてしまつてから葉はが出でる。その若葉わかばの出ではじめには実じつに鮮あざやかに明あかるい浅緑あさみどり色いろをしてゐいて、それが合掌がっしょうしたやうな形かたちで中天ちゅうてんに向むかつて延のびて行いく。丁度ちょうど緑みどりの焔ほのおをあげて燃もゆる小こ蝋燭ろうそくを点ともしつらねたやうにも見みえる。
 紫木蓮しもくれんは若葉わかばの賑にぎやかなイルミネーションいるみねーしょんの中なかから派手はでな花はなを咲さかせる。濃こい暗くらい稍『やや』冷つめたい紫むらさきの莟『つぼみ』が破やぶれ開ひらいて、中なかからほんのり暖あたたかい薄紫うすむらさきの陽炎『かげろう』が燃もえ出でる。さうして花はなの散ちり終おわるまでにはもう大おおきな葉はが一杯いっぱいに密集みっしゅうしてしまふう。
 桜さくらでも染井そめい吉野よしののやうに花はなが咲さいてしまつてから葉はの出でるやうな種類しゅるいが開花かいかの魁『さきがけ』をして、牡丹ぼたん桜ざくらのやうな葉はと一緒いっしょに花はなをもつやうなのが、少すこしおくれて咲さくところを見みると、これには何なにか共通きょうつうな植物しょくぶつ生理的せいりてきな理由りゆうがあるらしい。
 人間にんげんでもなんだか、これに似にた二ふた種類しゅるいがあるやうな気きがするが、何なにが「花はな」で何なにが「葉は」だかが自分じぶんにはまだはつきり分わからない。

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.1696(新字旧仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/card1696.html https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/1696_10187.html 底本:「花の名随筆4 四月の花」作品社    1999(平成11)年3月10日第1刷発行 底本の親本:「寺田寅彦全随筆 第六巻」岩波書店    1992(平成4)年5月 入力:もりみつじゅんじ 校正:多羅尾伴内
■ 漢字の説明( Explanation of kanji )  
❸
開
カイ・開ひらく・開ひらける・開あく・開あける・▲開はだかる・▲開はだける
openおーぷん
❹
種
シュ・▲ショウ・種たね・▲種うえる・▲種くさ
seedしーど ,speciesすぴーしーず ,categoryかてごり
❹
類
ルイ・類たぐい・▲類たぐい・▲類たぐえる・▲類にる
kindかいんど ,classくらす ,sortそーと
❺
桜
㋙オウ・桜さくら
cherryちぇりー blossomsぶろっさむ
❼
吉
キチ・キツ・▲吉よい
fortuneふぉーちゅん ,luckinessらきねす
❼
掌
ショウ・▲掌てのひら・▲掌たなごころ・▲掌つかさどる
palmぱーむ ofおぶ handはんど
❼
杯
ハイ・杯さかずき
sakeさけ cupかっぷ
❼
濃
ノウ・▲ジョウ・濃こい・▲濃こまやか
deepでぃーぷ ,thickしっく ,denseでんす
❼
緒
ショ・チョ・緒お・▲緒いとぐち
getげっと startedすたーてっど ,stringすとりんぐ
❼
鮮
セン・鮮あざやか・▲鮮あたらしい・▲鮮すくない
freshふれっしゅ
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小3 ❸開MojnaviGoogleBing
2小4 ❹種MojnaviGoogleBing
3小4 ❹類MojnaviGoogleBing
4小5 ❺桜MojnaviGoogleBing
5中学 ❼吉MojnaviGoogleBing
6中学 ❼掌MojnaviGoogleBing
7中学 ❼杯MojnaviGoogleBing
8中学 ❼濃MojnaviGoogleBing
9中学 ❼緒MojnaviGoogleBing
10中学 ❼鮮MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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