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ルビ付きテキスト

第44話 月天讃歌(擬古調)・宮沢賢治(新字旧仮名)


■ 伏字ふせじ漢字かんじ

※ ❶いち~から❻ろくは小1しょういち~から小6しょうろく、❼ななは中学ちゅうがくで覚おぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小2,❷: 雪 , 高
小3,❸: 氷 , 決 , 深
小4,❹: 席 , 笑 , 給
中学,❼: 尾 , 怨

■ 学習がくしゅうコンテンツ  

※ 読よみ仮名がなで漢字『かんじ』(『かんじ』)の様ように括弧かっこの付ついた漢字かんじは原書げんしょで読よみ仮名がなが付ついている漢字かんじです。


作品さくひん名めい:月天がってん讃歌さんか(擬ぎ古調こちょう)
著者ちょしゃ名めい:宮沢みやざわ賢治けんじ

兜かぶとの❼根おねのうしろより
月天がってんちらとのぞきたまへり

月天子がってんしほのかにのぞみたまへども
野のの❷ゆきいまだ暮くれやらず
しばし山やまはにたゆたひいおはす

❸然けつぜんとして月天子がってんし
山やまをいでたち❹たまひいつゝつ
その横雲よこぐもの黒雲くろくもの
さだめの❹せきに入はいりませりけり

月天子がってんしまことはいまだ出いでまさず
そはみひかりの異ことなりて
赤あかきといとど歪ゆがみませると

月天子がってんしみ丈たけのなかば黒雲くろくもに
うづもれまして❹えみ❹たまひいけり

なめげにも人々ひとびと❷たかくもの云いひいつゝつ
ことなく仰あおぎまつりし故ゆえ
月天子がってんしまた山やまに入はいります

   兜かぶとの❼根おねのうしろより
   さも月天子がってんし
   ふたゝたびのぞみ出いでたまふなり

月天子がってんしこたびはそらをうちすぐる
❸雲こおりぐものひらに座ざしまして
無む生しょうを観かんじたまふさまなり

月天子がってんし❸雲こおりぐもを❸ふかく入はいりませど
空華くうげは青あおく降ふりしきりけり

月天子がってんしすでに❸雲こおりぐもを出いでまして
雲くもあたふたとはせ去されば
いまは❼親おんしん平等びょうどうの
ひかりを野のにぞながしたまへり

■ コンテンツこんてんつ  


作品さくひん名めい:月天がってん讃歌さんか(擬ぎ古調こちょう)
著者ちょしゃ名めい:宮沢みやざわ賢治けんじ

兜かぶとの尾根おねのうしろより
月天がってんちらとのぞきたまへり

月天子がってんしほのかにのぞみたまへども
野のの雪ゆきいまだ暮くれやらず
しばし山やまはにたゆたひいおはす

決然けつぜんとして月天子がってんし
山やまをいでたち給たまひいつゝつ
その横雲よこぐもの黒雲くろくもの
さだめの席せきに入はいりませりけり

月天子がってんしまことはいまだ出いでまさず
そはみひかりの異ことなりて
赤あかきといとど歪ゆがみませると

月天子がってんしみ丈たけのなかば黒雲くろくもに
うづもれまして笑えみ給たまひいけり

なめげにも人々ひとびと高たかくもの云いひいつゝつ
ことなく仰あおぎまつりし故ゆえ
月天子がってんしまた山やまに入はいります

   兜かぶとの尾根おねのうしろより
   さも月天子がってんし
   ふたゝたびのぞみ出いでたまふなり

月天子がってんしこたびはそらをうちすぐる
氷雲こおりぐものひらに座ざしまして
無む生しょうを観かんじたまふさまなり

月天子がってんし氷雲こおりぐもを深ふかく入はいりませど
空華くうげは青あおく降ふりしきりけり

月天子がってんしすでに氷雲こおりぐもを出いでまして
雲くもあたふたとはせ去されば
いまは怨親おんしん平等びょうどうの
ひかりを野のにぞながしたまへり

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.53382(新字旧仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card53382.html https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/53382_43267.html 底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房    1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行 入力:junk 校正:土屋隆
■ 漢字の説明( Explanation of kanji )  
❷
雪
セツ・雪ゆき・▲雪すすぐ・▲雪そそぐ
snowすのー
❷
高
コウ・高たかい・高たか・高たかまる・高たかめる
highはい ,highはい positionぽじしょん
❸
氷
ヒョウ・氷こおり・㋙氷ひ・▲氷こおる
iceあいす
❸
決
ケツ・決きめる・決きまる
decisionでしじょん ,finalふぁいなる stageすてーじ
❸
深
シン・深ふかい・深ふかまる深・ふかめる・▲深ふける・▲深み
deepでぃーぷ
❹
席
セキ・▲席むしろ
seatしーと ,placeぷれーす
❹
笑
㊥ショウ・笑わらう・㊥笑えむ
laughらふ ,smileすまいる
❹
給
キュウ・▲給たまう・▲給たまわる
wageうぇじ recompenseりこんぺんす ,lookingるっきんぐ afterあふたー
❼
尾
ビ・尾お
tailている
❼
怨
㋙エン・オン・▲怨うらむ・▲怨うらみ
complaintこんぷれいんと ,grudgeぐらっじ
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小2 ❷雪MojnaviGoogleBing
2小2 ❷高MojnaviGoogleBing
3小3 ❸氷MojnaviGoogleBing
4小3 ❸決MojnaviGoogleBing
5小3 ❸深MojnaviGoogleBing
6小4 ❹席MojnaviGoogleBing
7小4 ❹笑MojnaviGoogleBing
8小4 ❹給MojnaviGoogleBing
9中学 ❼尾MojnaviGoogleBing
10中学 ❼怨MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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