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ルビ付きテキスト

第45話 アトモス・原民喜(新字旧仮名)


伏字ふせじ漢字かんじ

いちからろく小1しょういちから小6しょうろくなな中学ちゅうがくおぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小3,❸: 温
小4,❹: 変 , 覚
小6,❻: 吸
中学,❼: 丘 , 偉 , 吐 , 含 , 妙 , 眺

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仮名がな漢字『かんじ』(『かんじ』)のよう括弧かっこいた漢字かんじ原書げんしょ仮名がないている漢字かんじです。


作品さくひんめいアトモス
著者ちょしゃめいはら民喜たみき

 おだやかなうみしておか一角いっかくで、一人ひとり人間にんげん勝手かって瞑想めいそうをしてた。恰度ちょうどかれうみいろ秋晴あきばれのそらして散漫さんまんながめではあったが、それはかたあたたかい日光にっこうそそぐためでもあった。かれ芝生しばふうえちて自分じぶん影法師かげぼうしながめて、なに微❼びみょう苦悩くのうむさぼってた。そこにはなにきあかしたいひとつの感❹かんかくがあった。塩分えんぶんふくんだあたりの空気くうきかれってはき、いてはった。そのうちにかれ不図ふと無意味むいみちかくかう口遊『くちずさ』んだ。
 ――時間じかんとは❸度おんどのことか。

 それから大分だいぶんのちのことではあるが、かれ❸度おんど相違そういってうご永久えいきゅうまらない時計とけいすで発明はつめいされてるのをってきゅうへん気持きもちがした。そしてその機械きかい自分じぶんより❼大いだい感❹かんかくたされてるのをおもふと、いっそうへんがした。

コンテンツこんてんつ 


作品さくひんめいアトモスあともす
著者ちょしゃめいはら民喜たみき

 おだやかなうみしておか一角いっかくで、一人ひとり人間にんげん勝手かって瞑想めいそうをしてた。恰度ちょうどかれうみいろ秋晴あきばれのそらして散漫さんまんながめではあったが、それはかたあたたかい日光にっこうそそぐためでもあった。かれ芝生しばふうえちて自分じぶん影法師かげぼうしながめて、なに微妙びみょう苦悩くのうむさぼってた。そこにはなにきあかしたいひとつの感覚かんかくがあった。塩分えんぶんふくんだあたりの空気くうきかれってはき、いてはった。そのうちにかれ不図ふと無意味むいみちかくかう口遊『くちずさ』んだ。
 ――時間じかんとは温度おんどのことか。

 それから大分だいぶんのちのことではあるが、かれ温度おんど相違そういってうご永久えいきゅうまらない時計とけいすで発明はつめいされてるのをってきゅうへん気持きもちがした。そしてその機械きかい自分じぶんより偉大いだい感覚かんかくたされてるのをおもふと、いっそうへんがした。

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.48438(新字旧仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/000293/card48438.html https://www.aozora.gr.jp/cards/000293/files/48438_50089.html 底本:「普及版 原民喜全集第一巻」芳賀書店    1966(昭和41)年2月15日初版発行 入力:蒋龍 校正:伊藤時也
■ 漢字の説明( Explanation of kanji ) 

オン・▲ウン・あたたか・あたたかい・あたたまる・あたためる・▲ぬくい・▲ぬるい・ぬくめる・ぬくまる・たずねる・つつ
warmうぉーむ

ヘン・わる・える
changeちぇんじweirdわいあーど

カク・おぼえる・ます・める・▲さとる・▲さと
perceiveぱしーぶsensesせんすlearnらーん

キュウ・
suckingさっきんぐabsorptionあぶぞーぷしゅん

キュウ・おか
hillひる

イ・えらい・▲すぐれる
greatぐれーとadmirableあどまらぶるoutstandingあうとすたんでぃんぐ

ト・く・▲く・▲かす
vomitingぼみっていんぐbreatheぶれす outあうと

ガン・▲カン・▲ゴン・ふくむ・ふくめる
includingいんくるーでぃんぐcontainこんていん

ミョウ・▲ビョウ・▲たえ・▲わか
mysteriousみすてりあすstrangeすとれんじ

チョウ・ながめる
viewびゅーsightさいと
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小3 ❸MojnaviGoogleBing
2小4 ❹MojnaviGoogleBing
3小4 ❹MojnaviGoogleBing
4小6 ❻MojnaviGoogleBing
5中学 ❼MojnaviGoogleBing
6中学 ❼MojnaviGoogleBing
7中学 ❼MojnaviGoogleBing
8中学 ❼MojnaviGoogleBing
9中学 ❼MojnaviGoogleBing
10中学 ❼MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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