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第51話 西洋美術館めぐり・安井曽太郎(旧字旧仮名)


■ 伏字ふせじ漢字かんじ

※ ❶いち~から❻ろくは小1しょういち~から小6しょうろく、❼ななは中学ちゅうがくで覚おぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小3,❸: 君
小4,❹: 典
小5,❺: 現
小6,❻: 刻
中学,❼: 倣 , 巧 , 愉 , 詣 , 途 , 附

■ 学習がくしゅうコンテンツ  

※ 読よみ仮名がなで漢字『かんじ』(『かんじ』)の様ように括弧かっこの付ついた漢字かんじは原書げんしょで読よみ仮名がなが付ついている漢字かんじです。


作品さくひん名めい:西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり
著者ちょしゃ名めい:安井やすい曽太郎そうたろう

 若わかい人ひとが歐洲おうしゅうの新あたらしい美術びじゅつに影響えいきょうされる事ことは、それは當然とうぜんではあるが、然しかしそれと同時どうじに西洋せいよう古❹こてん美術びじゅつの深ふかき研究けんきゅうがなければならない。古❹こてんを充分じゅうぶん知しらなければ新あたらしい繪えや彫❻ちょうこくはほんとに判わからないのである。今いまの若わかい畫人がじんは外國がいこくの新あたらしい繪えは比較的ひかくてき見みる機會きかいはあるが古❹こてん畫がに接せっすることは稀まれである。その爲ためにそれ等らの畫家がかはしぜん新あたらしい畫えの外面的がいめんてきな模❼もほうに陷おちいり易やすい。その事ことは我國わがくに美術びじゅつの前❼ぜんとの爲ため全まったく心配しんぱいな事ことである。
今度こんど西歐せいおう美術びじゅつに造❼ぞうけい深ぶかい兒島ごじま❸くんの「西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり」が出だされたことは、たしかにその變態へんたい的てき新畫しんが病びょうからそれ等らの青年せいねん畫家がか達たちを救すくふに充分じゅうぶんである。同書どうしょは古❹こてん繪畫かいが、彫❻ちょうこく中じゅうの名品めいひんがよく撰えらばれてあり、それが部分的ぶぶんてきに大おおきく印刷いんさつされてある爲ため、その繪えや彫❻ちょうこくの表❺ひょうげん技❼ぎこうがよく分わかつて充分じゅうぶん參考さんこうになる。そしてそれ等らの内うちに我々われわれは❺代げんだい美術びじゅつの源みなもとを發見はっけんするのも❼快ゆかいであり、❺代げんだいの美術びじゅつのかなり革命的かくめいてきなものでも古❹こてんなくしては生うまれてゐいない、と云いふ事こともよく分わかる。そしてそれ等らの作品さくひんをよりよく❺あらはす爲ためにその各々おのおのに❼ふされた解説かいせつは深切しんせつで、歴史的れきしてきで、研究的けんきゅうてきで、非常ひじょうに興味きょうみ深ぶかい名めい解説かいせつである。
 西歐せいおう美術びじゅつの陳列ちんれつ室しつを有ゆうせない今いまの我わが國くにに於おいてこの「西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり」は我々われわれ畫家がかにとりては全まったくよき教科書きょうかしょである。僕ぼくは友人ゆうじんなる著者ちょしゃ兒島ごじま❸くんに感謝かんしゃする。

昭和しょうわ十じゅう年ねん一いち月がつ

■ コンテンツこんてんつ  


作品さくひん名めい:西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり
著者ちょしゃ名めい:安井やすい曽太郎そうたろう

 若わかい人ひとが歐洲おうしゅうの新あたらしい美術びじゅつに影響えいきょうされる事ことは、それは當然とうぜんではあるが、然しかしそれと同時どうじに西洋せいよう古典こてん美術びじゅつの深ふかき研究けんきゅうがなければならない。古典こてんを充分じゅうぶん知しらなければ新あたらしい繪えや彫刻ちょうこくはほんとに判わからないのである。今いまの若わかい畫人がじんは外國がいこくの新あたらしい繪えは比較的ひかくてき見みる機會きかいはあるが古典こてん畫がに接せっすることは稀まれである。その爲ためにそれ等らの畫家がかはしぜん新あたらしい畫えの外面的がいめんてきな模倣もほうに陷おちいり易やすい。その事ことは我國わがくに美術びじゅつの前途ぜんとの爲ため全まったく心配しんぱいな事ことである。
今度こんど西歐せいおう美術びじゅつに造詣ぞうけい深ぶかい兒島ごじま君くんの「西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり」が出だされたことは、たしかにその變態へんたい的てき新畫しんが病びょうからそれ等らの青年せいねん畫家がか達たちを救すくふに充分じゅうぶんである。同書どうしょは古典こてん繪畫かいが、彫刻ちょうこく中じゅうの名品めいひんがよく撰えらばれてあり、それが部分的ぶぶんてきに大おおきく印刷いんさつされてある爲ため、その繪えや彫刻ちょうこくの表現ひょうげん技巧ぎこうがよく分わかつて充分じゅうぶん參考さんこうになる。そしてそれ等らの内うちに我々われわれは現代げんだい美術びじゅつの源みなもとを發見はっけんするのも愉快ゆかいであり、現代げんだいの美術びじゅつのかなり革命的かくめいてきなものでも古典こてんなくしては生うまれてゐいない、と云いふ事こともよく分わかる。そしてそれ等らの作品さくひんをよりよく現あらはす爲ためにその各々おのおのに附ふされた解説かいせつは深切しんせつで、歴史的れきしてきで、研究的けんきゅうてきで、非常ひじょうに興味きょうみ深ぶかい名めい解説かいせつである。
 西歐せいおう美術びじゅつの陳列ちんれつ室しつを有ゆうせない今いまの我わが國くにに於おいてこの「西洋せいよう美術館びじゅつかんめぐり」は我々われわれ畫家がかにとりては全まったくよき教科書きょうかしょである。僕ぼくは友人ゆうじんなる著者ちょしゃ兒島ごじま君くんに感謝かんしゃする。

昭和しょうわ十じゅう年ねん一いち月がつ

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.59952(旧字旧仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/002123/card59952.html https://www.aozora.gr.jp/cards/002123/files/59952_69738.html 底本:「改訂版西洋美術館めぐり 第一輯」座右寶刊行會    1936(昭和11)年12月29日発行 入力:かな とよみ 校正:木下聡
■ 漢字の説明( Explanation of kanji )  
❸
君
クン・君きみ
youゆー ,boyぼーい ,masterますたー
❹
典
テン・▲典ふみ・▲典のり
dictionaryでぃくしょなりー ,lawろー ,ceremonyせれもにー
❺
現
ゲン・現あらわれる・現あらわす・▲現うつつ
realityりありてぃ ,realismりありずむ ,presentぷれぜんと
❻
刻
コク・刻きざむ・▲刻とき
engraveえんぐれーぶ ,timeたいむ
❼
倣
ホウ・㋙倣ならう
duplicateでゅぷりけーと ,mimicみみっく ,copyこぴー
❼
巧
コウ・巧たくみ・▲巧たくむ・▲巧うまい
skillfulすきるふる ,clevernessくればねす
❼
愉
ユ・▲愉たのしい・▲愉たのしむ
funふぁん
❼
詣
㋙ケイ・詣もうでる・▲詣いたる・▲詣まいる
toとぅ goごー
❼
途
ト・▲ズ・▲途みち
onおん theざ wayうぇい
❼
附
フ・▲ブ・▲附つく・▲附つける
attachedあたっちと
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小3 ❸君MojnaviGoogleBing
2小4 ❹典MojnaviGoogleBing
3小5 ❺現MojnaviGoogleBing
4小6 ❻刻MojnaviGoogleBing
5中学 ❼倣MojnaviGoogleBing
6中学 ❼巧MojnaviGoogleBing
7中学 ❼愉MojnaviGoogleBing
8中学 ❼詣MojnaviGoogleBing
9中学 ❼途MojnaviGoogleBing
10中学 ❼附MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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