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※ 読よみ仮名がなで漢字『かんじ』（『かんじ』）の様ように括弧かっこの付ついた漢字かんじは原書げんしょで読よみ仮名がなが付ついている漢字かんじです。

作品さくひん名めい：首里城しゅりじょう
著者ちょしゃ名めい：世禮せらい國男くにお

❹きよら❻水わかみずにみそぎ美々びびしく袖『そで』ひきつらね
首里天加那志『しゆいてんがなし』美御機『みうんち』拝おがむと人々ひとびとは
開暁鐘『けぢよがね』とつれて石❼いしだたみ九重ここのえの❹しろに❸のぼるつたで（あ）らう
歌うたと蛇じゃ及きゅう皮線びせんに❹内じょうないの夜よるは明あけはなれ
御祝『ういゑ』ごと続つづく御代みよの福ふくらしや
都大路みやこおおじにあけず羽ね美衣『んす』も晴はれやかに飛とび交かひ
御ご冠船踊『くわんせんおどり』の華々はなばなしさよ
浮上『うちやが』とて見みゆる凪『とり』の伊平屋『いへや』嶽だけの如ごとくに
玉たま黄金おうごん❻人わこうどたちは
娘『みやらび』たちの前まえに踊おどり栄『は』えたであらう
花はなの昔むかしよ走川『はいかは』のごとに
（流ながれ）れゆく年波としなみを漕こぎ❼もどすよすがもなく
❼破風からはふの屋根やねは苔蒸こけむし　風かぜにいたみ
竜りゅう樋ひの泉いずみには❹きよら白鳥はくちょうもおり立たたず
茨いばらに古ふるぶ階段『きざはし』とほく石❼いしくれふみあぐみ
❹壁じょうへき高たかく望❼ぼうろうに❸のぼり立たてば
天美子『あまみこ』の御神『みかみ』天降『あまくだ』り作つくり❼めしたる島々しまじまや
新装しんそうこらした緑みどりの真帆まほはりはい並ならび
おす風かぜとつれて朝あさの港みなとを帆走『はい』いづずるよ。