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ルビ付きテキスト

第59話 妖怪研究・井上円了(新字新仮名)


伏字ふせじ漢字かんじ

いちからろく小1しょういちから小6しょうろくなな中学ちゅうがくおぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小3,❸: 館
小5,❺: 解 , 講
小6,❻: 諸
中学,❼: 介 , 俗 , 妖 , 媒 , 怪 , 釈

学習がくしゅうコンテンツ 

仮名がな漢字『かんじ』(『かんじ』)のよう括弧かっこいた漢字かんじ原書げんしょ仮名がないている漢字かんじです。


作品さくひんめいようかい けんきゅう
著者ちょしゃめいいのうえ えんりょう

 ❼❼ようかい研究けんきゅうすうねんらい従事じゅうじせるところなるが、ちかごろ応用おうよう心理学しんりがくこうじゅつするにたり、あわせて❼❼ようかい❺❼かいしゃくくだし、ときどき実験じっけんをもほどこしけるに、事実じじつ参考さんこうようするものあれば、❸外かんがいいん❻君しょくんよりも事実じじつ報道ほうどうにあずかりたく、ひだり❼❼ようかい性質せいしつ種類しゅるいとを掲記けいきいたし『そうろう』


  よう東西とうざいろんぜず、古今ここんわず、宇宙うちゅう物心ぶっしんしょぞうちゅう普通ふつう道理どうりをもって❺❼かいしゃくすべからざるものあり。これを❼❼ようかいといい、あるいは不思議ふしぎしょうす。その❼❼ようかい不思議ふしぎとするものにまた、あまたの種類しゅるいありし。現今げんこん❼間ぞっかんそんするものいくしゅあるをらずといえども、しばらくこれを大別たいべつして二大にだいしゅとなす。すなわち、そのだいいっしゅ内界ないかいよりしょうずるもの、だいしゅ外界がいかいげんずるもの、これなり。しかしてまた、内界ないかいよりしょうずるものにふたしゅありて、他人たにん❼❼ばいかいてことさらにおこなうものと、自己じこ身心しんしんうえ自然しぜんはっするもののべつあり。ゆえに、❼❼ようかい種類しゅるいかちて、ひだりさんしゅとなさんとす。
  だいいっしゅ、すなわち外界がいかいげんずるもの
    幽霊ゆうれい狐狸『こり』犬神いぬがみ天狗『てんぐ』鬼火おにび❼星ようせい、そのほかしょ外界がいかい❼❼ようかい
  だいしゅ、すなわち他人たにん❼❼ばいかいによりておこなうもの
    巫覡『ふげき』かみおろし、にんそう墨色『すみいろ』卜筮『ぼくぜい』予言よげん祈祷『きとう』さっしん催眠さいみん、そのしょ幻術げんじゅつ
  だいさんしゅ、すなわち自己じこ身心しんしんうえはっするもの
    ゆめ夜行やこう神知しんちぐうごう再生さいせい❼説ぞくせつ癲狂『てんきょう』、そのしょ精神せいしんびょう
  このうちだいいっしゅ狐狸こり犬神いぬがみは、だいさんしゅにもぞくすべし。


 以上いじょう種類しゅるいかんする事実じじつ報道ほうどうにあずかりたく、ってその❺❼かいしゃくは「❺義こうぎろくなか掲載けいさいするか、あるいは特別とくべつ❸外かんがいいん❺義こうぎしょうもうけ、こうじゅついたすべくそうろう

    出典しゅってん 『哲学てつがくかん❺義こうぎろく
       だいいっだいさんねんきゅうだいごう明治めいじ二三にじゅうさんせんはっぴゃく九〇きゅうじゅうねんがつじゅうはちにちいちこう

コンテンツこんてんつ 


作品さくひんめいようかい けんきゅう
著者ちょしゃめいいのうえ えんりょう

 妖怪ようかい研究けんきゅうすうねんらい従事じゅうじせるところなるが、ちかごろ応用おうよう心理学しんりがくこうじゅつするにたり、あわせて妖怪ようかい解釈かいしゃくくだし、ときどき実験じっけんをもほどこしけるに、事実じじつ参考さんこうようするものあれば、館外かんがいいん諸君しょくんよりも事実じじつ報道ほうどうにあずかりたく、ひだり妖怪ようかい性質せいしつ種類しゅるいとを掲記けいきいたし『そうろう』


  よう東西とうざいろんぜず、古今ここんわず、宇宙うちゅう物心ぶっしんしょぞうちゅう普通ふつう道理どうりをもって解釈かいしゃくすべからざるものあり。これを妖怪ようかいといい、あるいは不思議ふしぎしょうす。その妖怪ようかい不思議ふしぎとするものにまた、あまたの種類しゅるいありし。現今げんこん俗間ぞっかんそんするものいくしゅあるをらずといえども、しばらくこれを大別たいべつして二大にだいしゅとなす。すなわち、そのだいいっしゅ内界ないかいよりしょうずるもの、だいしゅ外界がいかいげんずるもの、これなり。しかしてまた、内界ないかいよりしょうずるものにふたしゅありて、他人たにん媒介ばいかいてことさらにおこなうものと、自己じこ身心しんしんうえ自然しぜんはっするもののべつあり。ゆえに、妖怪ようかい種類しゅるいかちて、ひだりさんしゅとなさんとす。
  だいいっしゅ、すなわち外界がいかいげんずるもの
    幽霊ゆうれい狐狸『こり』犬神いぬがみ天狗『てんぐ』鬼火おにび妖星ようせい、そのほかしょ外界がいかい妖怪ようかい
  だいしゅ、すなわち他人たにん媒介ばいかいによりておこなうもの
    巫覡『ふげき』かみおろし、にんそう墨色『すみいろ』卜筮『ぼくぜい』予言よげん祈祷『きとう』さっしん催眠さいみん、そのしょ幻術げんじゅつ
  だいさんしゅ、すなわち自己じこ身心しんしんうえはっするもの
    ゆめ夜行やこう神知しんちぐうごう再生さいせい俗説ぞくせつ癲狂『てんきょう』、そのしょ精神せいしんびょう
  このうちだいいっしゅ狐狸こり犬神いぬがみは、だいさんしゅにもぞくすべし。


 以上いじょう種類しゅるいかんする事実じじつ報道ほうどうにあずかりたく、ってその解釈かいしゃくは「講義こうぎろくなか掲載けいさいするか、あるいは特別とくべつ館外かんがいいん講義こうぎしょうもうけ、こうじゅついたすべくそうろう

    出典しゅってん 『哲学てつがくかん講義こうぎろく
       だいいっだいさんねんきゅうだいごう明治めいじ二三にじゅうさんせんはっぴゃく九〇きゅうじゅうねんがつじゅうはちにちいちこう

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.49271(新字新仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/card49271.html https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/files/49271_34891.html 底本:「井上円了 妖怪学全集 第6巻」柏書房    2001(平成13)年6月5日第1刷発行 底本の親本:「哲学館講義録 第一期第三年級第五号」    1890(明治23)年2月18日 ※〔〕内の編集者による注記は省略しました。 入力:門田裕志 校正:Juki
■ 漢字の説明( Explanation of kanji ) 

カン・やかた・▲たて・▲たち
palaceぱれすsmallすもーる castleきゃっする

カイ・㋙ゲ・く・かす・ける・▲ほどく・▲ほどける・▲ほぐれる・▲ほつれる・▲さとる・▲わか
solutionそるーしょんexplanationえくすぷらねーしょん

コウ
lectureれくちゃー

ショ・▲もろ・▲もろもろ
variousばりおすnumerousにゅーむらすdiversifiedでぃばーさふぁいど

カイ・▲たすける・▲すけ
intermediationいんたーめでぃえーしょん

ゾク・▲ならわし・▲いやしい
habitsはびっつ

ヨウ・あやしい・▲なまめかしい・▲わざわ
yokaiよーかいghostごーすと

バイ・▲なかだち
mediateみーでぃえいとinterveneいんたゔぃーん

カイ・▲ケ・あやしい・あやしむ
mysteriousみすてりあす

シャク・▲セキ・▲く・▲ゆるす・▲かす・▲
interpretationいんたーぷらてぃしゃん
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小3 ❸MojnaviGoogleBing
2小5 ❺MojnaviGoogleBing
3小5 ❺MojnaviGoogleBing
4小6 ❻MojnaviGoogleBing
5中学 ❼MojnaviGoogleBing
6中学 ❼MojnaviGoogleBing
7中学 ❼MojnaviGoogleBing
8中学 ❼MojnaviGoogleBing
9中学 ❼MojnaviGoogleBing
10中学 ❼MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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