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ルビ付きテキスト

第70話 幕末維新懐古談・高村光雲(新字新仮名)


伏字ふせじ漢字かんじ

いちからろく小1しょういちから小6しょうろくなな中学ちゅうがくおぼえる常用じょうよう漢字かんじです。
小2,❷: 台
小5,❺: 像 , 確 , 銅
中学,❼: 斎 , 珍 , 違 , 鋳 , 頼 , 鬼

学習がくしゅうコンテンツ 

仮名がな漢字『かんじ』(『かんじ』)のよう括弧かっこいた漢字かんじ原書げんしょ仮名がないている漢字かんじです。


作品さくひんめい幕末ばくまつ維新いしん懐古談かいこだん・そのほかのことなど
著者ちょしゃめい高村たかむら 光雲こううん

 さて、楠公なんこうぞうは、この原型げんけいおな美術びじゅつ学校がっこう❼金ちゅうきん教授きょうじゅ岡崎おかざき雪声せっせい❼造ちゅうぞういたして住友すみともわたしたことでありました。木型きがたはその大阪おおさか博覧はくらんじょうというのにかざってありましたが、今日きょう何処どこにあることか。たしか、しろ木地きじあかがねいろいろをつけてあったと記憶きおくします。
 またそのいたって、みぎ木型きがたかたちちぢめて、床置『とこお』くらいちいさい❼物いものよっつかいつ出来できました(住友すみとも依❼いらいであった)。これは山田やまださい大作たいさく『よ』って小型こがたりましたのです。その小型こがた今日きょう美術びじゅつ学校がっこう文庫ぶんこ保存ほぞんされてあります。これをもと原型げんけい間❼まちがえているひともあるから、これもついでに間❼まちがわないようにことわってきます。事実じじつたしかにしてきませんと、げんにまだその製作せいさく主任しゅにんをしたわたくしきているあいだに、はやくもその作者さくしゃさえも間❼まちがうようなわけでありますから、❺実かくじつなことを記録きろく『とど』めてくは必要ひつようことおもいます。

 楠公なんこうぞう馬場ばばさき門外もんがいったのは、ずっとあとのことで、その建設けんせつ場所ばしょなども、最初さいしょ学校がっこうほう選定せんていすることになっておって、二重にじゅうばしりで、もんせっしたところにしたいというかんがえであったが、それは宮内省くないしょうほうで、練兵れんぺい都合つごうなどあってゆるしがなく、現在げんざい位置いちつこととなりましたが、かえって今日こんにちではこのほうがよろしかったかとおもわれます。
 また❷石だいいしほう多分たぶん宮内くないしょうほうつくったこととおもいます。この❷石だいいし製作せいさくにんあたったひとは、研究けんきゅう調査ちょうさのため洋行ようこうをしたとかきました。
 なにしろ、その当時とうじのことで、❺❺どうぞう東京とうきょう市中しちゅうめずらしく、九段『くだん』大村おおむらさんの❺❺どうぞう以来いらいのことで、注目ちゅうもく『ひ』きました。

コンテンツこんてんつ 


作品さくひんめい幕末ばくまつ維新いしん懐古談かいこだん・そのほかのことなど
著者ちょしゃめい高村たかむら 光雲こううん

 さて、楠公なんこうぞうは、この原型げんけいおな美術びじゅつ学校がっこう鋳金ちゅうきん教授きょうじゅ岡崎おかざき雪声せっせい鋳造ちゅうぞういたして住友すみともわたしたことでありました。木型きがたはその大阪おおさか博覧はくらんじょうというのにかざってありましたが、今日きょう何処どこにあることか。たしか、しろ木地きじあかがねいろいろをつけてあったと記憶きおくします。
 またそのいたって、みぎ木型きがたかたちちぢめて、床置『とこお』くらいちいさい鋳物いものよっつかいつ出来できました(住友すみとも依頼いらいであった)。これは山田やまださい大作たいさく『よ』って小型こがたりましたのです。その小型こがた今日きょう美術びじゅつ学校がっこう文庫ぶんこ保存ほぞんされてあります。これをもと原型げんけい間違まちがえているひともあるから、これもついでに間違まちがわないようにことわってきます。事実じじつたしかにしてきませんと、げんにまだその製作せいさく主任しゅにんをしたわたくしきているあいだに、はやくもその作者さくしゃさえも間違まちがうようなわけでありますから、確実かくじつなことを記録きろく『とど』めてくは必要ひつようことおもいます。

 楠公なんこうぞう馬場ばばさき門外もんがいったのは、ずっとあとのことで、その建設けんせつ場所ばしょなども、最初さいしょ学校がっこうほう選定せんていすることになっておって、二重にじゅうばしりで、もんせっしたところにしたいというかんがえであったが、それは宮内省くないしょうほうで、練兵れんぺい都合つごうなどあってゆるしがなく、現在げんざい位置いちつこととなりましたが、かえって今日こんにちではこのほうがよろしかったかとおもわれます。
 また台石だいいしほう多分たぶん宮内くないしょうほうつくったこととおもいます。この台石だいいし製作せいさくにんあたったひとは、研究けんきゅう調査ちょうさのため洋行ようこうをしたとかきました。
 なにしろ、その当時とうじのことで、銅像どうぞう東京とうきょう市中しちゅうめずらしく、九段『くだん』大村おおむらさんの銅像どうぞう以来いらいのことで、注目ちゅうもく『ひ』きました。

■ 原書情報(青空文庫) 図書カード:No.47009(新字新仮名) https://www.aozora.gr.jp/cards/000270/card47009.html https://www.aozora.gr.jp/cards/000270/files/47009_26579.html 底本:「幕末維新懐古談」岩波文庫、岩波書店    1995(平成7)年1月17日第1刷発行 底本の親本:「光雲懐古談」万里閣書房    1929(昭和4)年1月刊 入力:網迫、土屋隆 校正:noriko saito
■ 漢字の説明( Explanation of kanji ) 

ダイ・タイ・▲うてな・▲しもべ
standすたんどtableてぃぶるpedestalぺだすとるtowerたうぁ

ゾウ・▲ショウ・▲かたち・▲かたど
imageいみじstatueすたちゅーfigureふぃぎゃportraitぽーとりとpictureぴくちゃ

カク・たしか・たしかめる・▲しかと・▲しっかり・▲かた
certainlyさーとんりdefiniteでふぁにとsureしゅあcertainさーとんcorrectかれくと

ドウ・▲あかがね
copperかぱbronzeぶらんず

サイ・▲ものいみ・▲つつしむ・▲いつく・▲とき
abominationあばまねぃしゃんavoidぁゔぉぃどeschewいすちゅーworshipわーしぷenshrineいんしゅらぃん

チン・めずらしい
rareれぁcuriousきゅりぁすinimitableいにまたぶる

イ・ちがう・ちがえる・▲たがう・▲たがえる・▲る・▲よこしま・▲
wrongろーんぐdifferenceでぃふらんすdisagreementでぃさぐりーまんとvaryゔぇりdifferでぃふぁ

チュウ・▲シュ・
castingきゃすてぃんぐmouldもぅるど

ライ・たのむ・たのもしい・たよ
relyりらぃaskingぁすきんぐrequestりくうぇすとrelianceりらぃぁんすreliableりらぃぁぶるtrustworthyとらすとわーじ

キ・おに
demonでぃーまんorgeおーがdeamonでぃむあんdevilでゔぁる
(付記,Note)
※ 最初の行は音訓読みを記載しています。カタカナは音読み、ひらがなルビは訓読みです。
※ ▲は常用外の読み方です。㊥は中学・㋙は高校で習う読み方です。漢検・漢字辞典の記載に準拠しています。
※ ▲ is a non-regular reading. ㊥ is the reading learned in junior high school and ㋙ is the reading learned in high school.
■ 漢字のリンク集/書き順&意味 , stroke order:Mojinavi , Another languages:Google , Bing
1小2 ❷MojnaviGoogleBing
2小5 ❺MojnaviGoogleBing
3小5 ❺MojnaviGoogleBing
4小5 ❺MojnaviGoogleBing
5中学 ❼MojnaviGoogleBing
6中学 ❼MojnaviGoogleBing
7中学 ❼MojnaviGoogleBing
8中学 ❼MojnaviGoogleBing
9中学 ❼MojnaviGoogleBing
10中学 ❼MojnaviGoogleBing
★★★ 各小説投稿サイトへのリンク集(各投稿サイトでも公開しています) ★★★
Q:青空文庫って、何ですか?
A:1997年に始まったボランティア活動で、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、共有可能なものとして図書館のようにインターネット上に集めようとしております。現在は、日本国内で著作権保護期間の満了した作品を中心に、ボランティアのみなさんの力によって電子化作業を進めています。青空文庫はそういった電子化活動のための、またその成果物をアーカイヴしておくための場でもあり、そこからコピーされた本の集成や活用事例もまた〈青空文庫〉と呼ばれることがあります。
Q: What is Aozora Bunko?
A: The volunteer activities, which began in 1997, the free e-book that can be accessed by anyone in, we are going to gather on the Internet like a library as a thing that can be shared. Currently, we are proceeding with digitization work with the help of volunteers, focusing on works whose copyright protection period has expired in Japan. Aozora Bunko is a place for such digitization activities and for archiving the deliverables, and the collection and use cases of books copied from it are also sometimes called “Aozora Bunko”.
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