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作品サクヒン名メイ：釋シャク迢チョウ空クウ
著者チョシャ名メイ：齋藤サイトウ 茂吉モキチ

　歌人カジン【本名ホンミョウ】折口オリグチ信夫シノブ【閲歴エツレキ】明治メイジ二ニ十ジュウ年ネン二ニ月ガツ十ジュウ一イチ日ニチ、大阪オオサカ市シ浪速ナニワ區ク鴎カモメ町チョウ一丁イッチョウ目メにニ生ウマれたレタ。三サン十ジュウ八ハチ年ネン、天王テンノウ寺ジ中チュウ學ガク卒業ソツギョウ。少年ショウネンのノ頃コロよりヨリ讀ドク書ショ癖ヘキがガありアリ、三サン十ジュウ四ヨ年ネン以オ來ライ「文庫ブンコ」（別項ベッコウ）のノ短歌タンカ欄ランにニ投稿トウコウしシ、服部ハットリ躬モト治ハルのノ撰センをヲ經ヘたタ。三サン十ジュウ八ハチ年ネン國コク學院ガクイン大學ダイガク部ブ豫ヨ科カにニ入ニュウ學ガク。四ヨン十ジュウ三サン年ネンにニ根岸ネギシ派ハのノ短歌タンカ會カイにニ莅ノゾむム。ついでツイデ大正タイショウ六ロク年ネンからカラ十ジュウ二ニ年ネンまでマデ雜誌ザッシ「アララギあららぎ」（別項ベッコウ）のノ同人ドウジンとしてトシテ、作歌サッカ及オヨびビ評論ヒョウロンをヲ發表ハッピョウしシ、雜誌ザッシ「日光ニッコウ」のノ出イづるやそのヅルヤソノ同人ドウジンとトなったナッタ。歌集カシュウにニ、「海ウミやまヤマのノあアひイだダ」（大正タイショウ十ジュウ四ヨ年ネン、改造カイゾウ社シャ）「春ハルのノことコトぶれブレ」（昭和ショウワ五ゴ年ネン、梓アズサ書房ショボウ）がガあるアル。歌人カジンとしてトシテのノ外ホカ、國學コクガク院イン大學ダイガク・慶應ケイオウ義塾ギジュク大學ダイガクにニ教鞭キョウベンをヲ執トりリ、國コク文學ブンガク・民俗ミンゾク學ガクにニ造詣ゾウケイがガ深フカくク、數イク多タのノ論文ロンブンがガあるアル。歌集カシュウのノ外ホカにニ、「口コウ譯ヤク萬葉マンヨウ集シュウ」「萬葉マンヨウ集シュウ辭ジ典テン」「隱岐オキ本ボン新シン古今コキン和歌ワカ集シュウ」「古代コダイ研究ケンキュウ民俗ミンゾク學ガク篇ヘン」「古代コダイ研究ケンキュウ國コク文學ブンガク篇ヘン」等ナドそのソノ他タがガありアリ、雜誌ザッシ「土俗ドゾクとト傳デン説セツ」「民俗ミンゾク學ガク」等ナドのノ編輯ヘンシュウ主任シュニンとトしてもシテモ活躍カツヤクしてシテゐイるル。昭和ショウワ七シチ年ネン春ハル、文學ブンガク博士ハカセのノ學ガク位イをヲ授サズけケられたラレタ。『明治メイジ三サン十ジュウ五ゴ年ネン、中チュウ學ガク生セイのノ禁欲キンヨク生活セイカツをヲ目的モクテキとトするスル琴コト聲コエ會カイとト言イふフにニ入ハイりリ、次第シダイにニ深フカ入イりリしてシテ、卒業ソツギョウのノ年トシ迄マデ、一人ヒトリ此コノ氣キ分ブンをヲ守マモりリ遂トげるゲル。後年コウネンのノ犬儒ケンジュ生活セイカツはワ此コレにニ基モトヅくクらしいラシイ云々ウンヌン』とト、迢空チョウクウ自身ジシンのノ記述キジュツにニあるアル如ゴトくク、彼カレはワ未イマだダ獨ドク身シンでデあるアル。
【歌風カフウ】歌風カフウはワ服部ハットリ躬モト治ハルよりヨリ出イでデてテ、後ノチ、正岡マサオカ子規シキ系統ケイトウにニ移ウツったッタのでノデあるアルからカラ、同オナじジ新派シンパでもデモ、むしろムシロ萬葉マンヨウ派ハとト看做ミナすスべきベキものモノでデあるアル。ただタダ彼カレはワ國コク文學ブンガク者シャでデあるアルとト同時ドウジにニ、民俗ミンゾク學ガク者シャでデあるアルからカラ、歌風カフウもモ自オノズカらラそのソノ色彩シキサイをヲ帶オびビ、人情ニンジョウのノ機微キビ、人事ジンジのノ複フク雜ザツをヲ詠エイずるズルをヲ以モッてテ得意トクイとしてトシテゐイるル。「昭ショウ和ワ職ショク人ニン歌ウタ合アワセ」のノ如ゴトきキはワ、そのソノ特色トクショクのノ一端イッタンをヲ示シメすスものモノでデありアリ、又マタ同オナじジ萬葉マンヨウ派ハでもデモ「古今ココン」「新シン古今ココン」をヲもモ取トリ入イれレ、複フク雜ザツなナ一家イッカのノ歌ウタ調ヅキをヲ成ナしてシテゐイるル。これコレ彼カレがガ赤彦アカヒコ・千樫チカシ・憲吉ケンキチ等ナド以外イガイにニ、一イチ領域リョウイキをヲ有ユウしてシテゐイるル所以ユエンでデあるアル。

【參サン考コウ】海ウミやまヤマのノあアひイだダ附録フロク（自ジ傳デン）