■ コンテンツこんてんつ  

作品サクヒン名メイ：回想カイソウ
著者チョシャ名メイ：正宗マサムネ 白鳥ハクチョウ

　私ワタクシはワ日露ニチロ開カイ戰センのノ前年ゼンネン、讀賣ヨミウリ新聞シンブン社シャにニ入社ニュウシャしてシテ、滿マン七シチ年ネン間カンのノ勤務キンムをヲ續ツヅけたケタのでノデあったアッタがガ受ウけケ持モちチはワ、主シュとしてトシテ美術ビジュツ、文學ブンガク方面ホウメンのノ消息ショウソクをヲ傳ツタへエるルことコトとト、作品サクヒンのノ批評ヒヒョウをヲするスルことコトでデ、演劇エンゲキのノ批評ヒヒョウもモしてシテゐイたタ。今日キョウのノ文化ブンカ欄ランをヲ主宰シュサイしてシテゐイたタのノだがダガ、何ナニもモかもカモ一人ヒトリでデやってヤッテゐイるルやヨうなウナものモノでデあったアッタ。當時トウジのノ讀賣ヨミウリはワ、美術ビジュツ新聞シンブンでデありアリ文學ブンガク新聞シンブンでデあったアッタものモノだがダガ、さソうウいイふウ新聞シンブンにニ於オいてイテ年少ネンショウのノ私ワタクシがガ一人ヒトリでデ自由ジユウ自在ジザイにニ殆ホトんどンド何ナンのノ束縛ソクバクもモなくナク、藝術ゲイジュツ全般ゼンパンのノ批評ヒヒョウをヲ試ココロみてミテゐイたタことコトはワ、回顧カイコしてシテ私ワタクシはワ不思議フシギにニ思オモふウとトともにトモニ、痛快ツウカイなナ事コトでデあったアッタとト思オモってッテゐイるル。
　そのソノ道ミチでデ何ナンのノ素養ソヨウもモなかったナカッタ私ワタクシがガ、當トウ代ダイのノさまサマ／″＼ザマなナ美術ビジュツ作品サクヒンをヲ批判ヒハンするスルなんかナンカ、僭越センエツ至極シゴクでデあったアッタがガ、傳デン統トウにニ捉トラへエられずラレズ、周シュウ圍イのノ情勢ジョウセイをヲもモ顧慮コウリョせずセズ、自分ジブンのノ感カンずるズルところトコロをヲそのままソノママにニ打ブちチまけたマケタところトコロにニ、何ナニかカのノ新味シンミがガあったアッタのノでデはワないかナイカとト思オモったりッタリしてシテゐイるル。
　とにトニ角カクあのアノ時トキのノ、讀賣ヨミウリのノ文化ブンカ欄ランはワ特色トクショクがガあったアッタのでノデあるアル。いいイイ意味イミかカ惡ワルいイ意味イミかカ、他ホカのノ新聞シンブンのノ穩オン健ケン平板ヘイバンなナ文化ブンカ欄ランとトはワちがってチガッテゐイたタ事コトはワ、絶タえずエズ非難ヒナン攻撃コウゲキをヲ受ウけてケテゐイたタことコトにニよってヨッテもモ證ショウ明メイされるサレルのでノデあるアル。私ワタクシはワ非難ヒナンをヲ空ソラ吹フくク風カゼとト受ウけケ流ナガしてシテ、自己ジコをヲ發揮ハッキしてシテゐイたタのノだがダガ、當時トウジのノ主筆シュヒツはワ、時々トキドキにがいニガイ顏カオをヲしてシテゐイながらナガラもモ、私ワタクシにニ警告ケイコクもモせずセズ、私ワタクシをヲ排斥ハイセキもモしシなかったナカッタのでノデあったアッタ。今コン日ニチのノ新聞シンブンのノ有アリ樣ヨウからカラ云イふウとト、想像ソウゾウもモ及オヨばぬバヌことコトでデあるアル。私ワタクシがガ美術ビジュツ批評ヒヒョウをもヲモ劇ゲキ評ヒョウをもヲモ止ヤめるメルことコトにニなったナッタのノはワ、自責ジセキのノ念ネンにニ基モトヅいたイタのでノデ、こんなコンナ暴ボウ評ヒョウはワ新聞シンブンのノためタメにニよろしくヨロシクないナイとト自分ジブンでデ氣キづズいたイタためタメでデあったアッタ。私ワタクシのノ藝ゲイ術ジュツ觀カン、人生ジンセイ觀カンがガおのオノづズからカラ生長セイチョウしたシタためタメでデあアらロうウ。あのアノ頃コロはワ政治セイジ論ロンでデもモ社シャ會カイ各カク方面ホウメンのノ論評ロンピョウでもデモ、私ワタクシのノやヨうなウナ態度タイドのノものモノがガ、どこかドコカにニあったアッタかもカモ知シれレないナイ。
　とにトニ角カク、今日キョウのノ新聞シンブンのノ論調ロンチョウはワ、どのドノ方面ホウメンでデでもデモ、周シュウ圍イをヲ顧慮エンリョしてシテゐイるルものモノばかりバカリでデあるアルやヨうだウダ。